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2026年2月7日土曜日

白色LED|図解 光学用語

白色LED(はくしょくえるいーでぃー White LED)

白色LEDとは

 白色LED(White Light Emitting Diode)は半導体を用いて白色光を発光させる素子です。当初、LEDは赤・黄・緑などの単色光しか出すことができませんでしたが、1990年代に青色LEDが実用化されると、波長の短い高エネルギーの青色光が得られるようになりました。そのエネルギーを利用して蛍光物質を発光させ、複数の色光を混ぜ合わせることで、ついに白色光を出すLEDが実現したのです。また、光の三原色のLEDが揃ったことで、より自然に近い色の再現ができる演色性の高い白色LEDも作ることができるようになりました。 

白色LEDの種類

現在、白色LEDには下記の3種類があります。

  • 青色LED+黄色蛍光体
    青色光で黄色光を発光する蛍光体を刺激します。補色の関係にある青色光と黄色光を混ぜることで白色光を作ります。低コストで効率が良いため、照明や液晶ディスプレイのバックライトとして広く使われています。
  • 赤・緑・青(RGB)の3色型LED
    光の三原色のLEDを並べて発光させ白色光を作ります。三色の明るさの調整ができるため白色光以外の色光を出すこともできますが、回路が複雑で高価です。
  • 近紫外/紫色LED+RGB蛍光体
    エネルギーの高い紫外線もしくは紫色光で光の三原色を出す蛍光体を刺激します。蛍光体が出す光の三原色の混色により白色光を作ります。太陽光に近い演色性の高い光を作れますが、現時点では効率面で課題が残っています。

一般的な白色LED(青色LED+黄色蛍光体)の仕組み

 現在、照明や液晶ディスプレイのバックライトとして広く普及しているのが、青色LEDチップと黄色蛍光体を組み合わせた方式です。青色LEDチップで高エネルギーの青色光を発生させます。その青い光がチップを覆う黄色蛍光体の層を通過します。このとき蛍光体は青色光で刺激され黄色光を発光します。青色と黄色は補色の関係にあるため、この2つの光が混ざり合うと色を失って白色光となります。

青色LEDチップから出た光が黄色蛍光体の層を通り、青と黄の光が混ざって白色光になる仕組みの図解
一般的な白色LED(青色LED+黄色蛍光体)の発光プロセス

 この方式の白色LEDの最大の利点は1つのチップと蛍光体という簡単な構造で白色光を作ることができることです。少ないエネルギーで効率よく明るい白色光が得られます。製造コストも抑えられるため白色LEDの主流となりました。

白色LED(青色LED+黄色蛍光体)のスペクトル

 白色LEDの光の成分を調べるためCDの裏面による回折と干渉を利用して分光実験をしてみました。するとこの白色光には青色と黄色の他に緑色や赤色の光が含まれていることがわかりました。

CDの裏面を利用して白色LEDの光を分光した様子。反射した光が虹色に分かれ、青や緑、赤が含まれているのが見える
CDの裏面を利用して白色LEDの光を分光した様子

 CDでは含まれている色がわかりにくいので分光器についていた光学部品の回折格子(グレーティング)で分光してみました。連続スペクトルの中に青色光、青緑色(シアン色)、緑色、黄色、橙色、赤色の光が存在していることが視認できました。

回折格子(グレーティング)によって白色LEDの光を鮮明に分光した様子。左から青、シアン、緑、黄、橙、赤へと連続的に変化する光の帯が確認できる
回折格子による白色LED(青色LED+黄色蛍光体)の分光の様子

 さらに詳しく調べるため分光器を使って発光スペクトルを測定してみました。波長465 nmの青色光の鋭いピークと、560nmを中心とした黄色蛍光体の幅広いピークで構成されていることがわかります。

白色LEDの発光スペクトル図。465nm付近に青色LEDの鋭いピークと、560nmを中心とした幅のある黄色蛍光体のピークで構成されている
分光器で測定した白色LEDの発光スペクト

  白色LED(青色LED+黄色蛍光体)は補色の関係にある青色光と黄色光で作られた白色光ですが演色性は悪くありません。その理由は黄色蛍光体が幅広い波長範囲の光を発光しているからです。上図の発光スペクトルを可視光線のスペクトルで塗りつぶしてみました。黄色蛍光体が560 nmを中心とした緑から赤までの幅広い範囲の光を発光していることがわかります。そのため私たちは白色LED(青色LED+黄色蛍光体)で照らされた物体の色を自然に近い色で認識できるのです

白色LEDの発光スペクトル。グラフの内側が虹色のグラデーションで塗りつぶされており、青色LEDの鋭い光と、緑から赤まで広くカバーする蛍光体の光が合わさって白色を作っていることを示している
可視光の波長成分と白色LEDが発光する波長成分を示したスペクトル

白色光源の発光スペクトルの比較

 私たちの身の回りにはさまざまな白色光源があります。それぞれの光がどのような成分の光を発光しているか、代表的な3つの光源で比較してみましょう。

白色LED、白熱電灯、三波長形蛍光灯の発光スペクトルの比較図。右肩上がりの白熱電灯、鋭い数本のピークを持つ蛍光灯、2つの大きな山を持つ白色LEDが発光する光の成分の違いを示している
白色LED、白熱電灯、三波長形蛍光灯の発光スペクトルの比較
  • 白熱電灯(赤色の線)
    白熱電灯(白熱電球)は波長が長くなるほど(赤色に近づくほど)発光強度が大きくなる白色光を発光します。発光原理は熱放射によるものです。太陽光と同様に全ての波長を連続的に含んでいるため演色性が高いのが特徴です。
  • 三波長形蛍光灯(緑色の線)
    三波長形蛍光灯は赤・緑・青の光を混合した白色光を発光します。発光原理は電界発光(エレクトロルミンセンス)によるものです。紫外線で赤・緑・青の3つの蛍光体を刺激するこで光の三原色を発光させるため蛍光灯としては演色性が高いのが特徴です。フルカラーLEDまたはRGB LEDとも呼ばれます
  • 白色LED(青色の線)
    これまでに見てきた通り青色光と幅のある黄色光を混合した白色光を発光します。発光原理は電界発光(エレクトロルミネセンス)によるものです。効率の良さと実用的な演色性をバランスよく両立しているのが特徴です。

さらなる演色性を求めてー3色型LEDの仕組み

 青色LEDと黄色蛍光体を組み合わせた白色LEDに対して、3色型LEDは光の三原色である赤(R)・緑(G)・青(B)の独立した3つのLEDの光を混合して白色光を作ります。蛍光体やフィルターを使用せず光の三原色の光源を利用しているため、それぞれのLEDの出力を調整すれば白色光のみならず様々な色を自在に作ることができます。

光の三原色による混色の原理と仕組みについては次のページを参照してください。

 3色型LEDは赤(R)・緑(G)・青(B)の3色のチップがひとつになったものが主流になってきました。3つのLEDが1つで済み、単位画素あたりの三色光を増加させることができるため、明るくなり、色ムラが少なくなります。

3色型発光ダイオードの仕組み図。左側に独立した赤・緑・青のLEDチップがあり、それらが1つのパッケージにまとめられ、最終的に多数配置されて混色されるプロセスを描いている
光の三原色(RGB)を利用した3色型LEDの構造

 最近は従来の3色LEDより小型のMini LEDが使われるようになっています。MiniLEDは数千~数万個の極小LEDで作られたバックライトです。MiniLEDによって高輝度なディスプレイを実現できるようになりました。また光漏れを最小限に抑えることができるためLEDを消灯させたときに綺麗な黒を再現できるためコントラストも飛躍的に向上しました。

 街中でよく見かける大型ディスプレイ(LEDビジョン)は3色LEDをバックライトとして利用しているのではなく、光の三原色の混色で色を作り出しています。ダイレクトビューLEDディスプレイや自発光型LEDディスプレイと呼ばれています。

 LEDそのものの発光原理と仕組みを知りたい方は下記のページをご参照ください。

LEDが光る仕組み

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