金属の電熱線に電気と通すと発熱して暗赤色となります。電熱線は高温になるにつれて様々な波長の光を出すようになり、さらに温度が高くなると白色光を出します。
電熱線が発熱するのは電熱線の金属原子が振動するからです。原子が振動するとき原子中の電子は原子より軽いためより激しく振動します。電荷をもつ電子が振動するとその振動エネルギーが電磁波として放出されます。
熱放射を利用した光源として代表的なものは昔から使われている白熱電球です。白熱電球は電気エネルギーをいったん熱エネルギーに変換してから光を出しています。白熱電球は発光効率が低く元のエネルギーの一部だけが光となりほとんどは熱となります。そのため光っている白熱電球は高温になっています。
熱エネルギーが光エネルギーとなる発光を熱放射といいます。物体は温度が低いときには目には見えませんが赤外線を出しています。可視光線を放射する温度範囲では、温度が低いと赤色の光を出し、温度が高くなると白っぽい光を出すようになります。さらに高温になると青白い光を出します。物体から出てくる光の色は物体の表面の温度で決まります。この関係を利用して物体の色からその表面の温度を測定することができます。
例えば製鉄所では数千℃のどろどろに溶けた鉄の温度を鉄の色から測定しています。また夜空に輝く恒星には色がついていますが、この色は恒星の表面温度によって決まります。青白い色の星は表面温度が高く、赤い色の星は表面温度が低いのです。
光源が発する光の色を熱放射で光を出している物体の絶対温度(K)に換算して表した尺度を色温度といいます。
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