白色光とは はくしょくこう、white lite
白色光とは、色覚を与えない無色の光のことです。白色光が空気中の微粒子などで散乱すると白色に見えます。また、可視光線の全ての波長を乱反射する物体に白色光を当てると、その物体が白く見えます。白色光を発する光源を白色光源といいます。
白色光の物理的な定義としては、可視光線の全ての波長の光を均等に混合した光とされます。また、シンクロトロン放射光においては、赤外線からγ線までに至る広範な波長領域の電磁波を含む白色放射光を得ることができます。
照明や色彩の分野では、白色光は、物理的な定義よりも、ヒトの色覚を再現できる光とされます。そのため、ヒトの色覚の基準の光となっている太陽光は、可視光線の全ての波長を厳密に均等に含んでいるわけではありませんが、白色光とみなされます。
太陽光と同様にヒトの色覚を再現できる人工的な光源として、いくつかの標準光源が国際照明委員会(CIE)で定められています。現在、D65の標準の光を忠実に再現する光源はありませんが、D65の標準の光に近い光源が標準光源として使われています。注1
太陽光は理想的な白色光ですが、実際には黄色い光をたくさん含んでいます。白熱電灯も黄色い光をたくさん含む白色光です。三波長形蛍光灯は赤・緑・青の光を混合した白色光を出しています。一般的な白色LEDは、青色の光を蛍光物質に当てることによって黄色い光を発光させ、青色と黄色の光を混合した白色光を出しています。これらの電灯は、さまざまな波長の可視光線を均等に含んだ光を出しているわけではありません。しかし、物体の色を再現する演色という点では、白色光と呼んでも差し支えありません。
白色光がさまざまな色の光が混合したものであることを実験で証明したのは、いイギリスの物理学者アイザック・ニュートンです。ニュートンは1666年にプリズムで太陽光を分散させ、さまざまな色の光に分解しました。さらに分解した光を再混合することで、元の白色光に戻すことに成功しました。注2
- 注1 A、B、C光源は1931年にCIEが定義したものである。BとC光源はA光源の光をフィルターに通したものであるが、標準光源としては不十分なため、CIEは1967年にD光源を定義した。光源と物体の色のおはなし(光と色と本館)
- 注2 プロローグ |ニュートンのプリズムの分散の実験をやってみた①
- JIS Z8120 肉眼で白色に見える放射。通常連続スペクトルから成る。
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