ロバート・フック
ヤンセン親子が発明した凸レンズを2枚使った複式顕微鏡はヨーロッパに広まりましたが、その発展は後に発明された望遠鏡に比べると遅れをとりました。現在の顕微鏡のように微細構造を観察する性能を出すことができなかったためです。日常生活でものを拡大して見る道具としては、凸レンズ1枚のルーペで十分だったのでしょう。 そのため、顕微鏡は科学のツールというより高級な工芸品として広まったようです。
多くの職人によって複式顕微鏡が作成されましたが、実用的な顕微鏡を開発し人々の目をミクロの世界に向けるきっかけをつくったのはイギリスの自然哲学者で王位協会の事務局長を務めたロバート・フックです。フックは力学の弾性に関するフックの法則で有名ですが、光学や天文学などにも精通していました。フックはアイザック・ニュートンと光が粒子か波動かで論争を繰り広げています。
ロバート・フックの複式顕微鏡とミクログラフィア
フックは凸レンズを2枚使った拡大率が数十倍の複式顕微鏡で1663年頃からさまざまな動植物の観察を行いました。この革と金で作られた手作りの顕微鏡はロンドンのクリストファー・ホワイトに製作させたものです。
フックは1665年に顕微鏡の観察結果をまとめた「MICROGRAPHIA(ミクログラフィア)」という本を出版しています。
ミクロ具ラフィアには実に100点を超える動植物のスケッチが掲載されています。フックはコルクに無数の小さな部屋があることを発見しそれをcella(ラテン語で細胞を意味する。英語はcell)と名づけています。
ロバート・フックの複式顕微鏡|顕微鏡の歴史②
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