全身を映す鏡の大きさ
次の図1は全身を平面鏡に映したときの様子を示したものです。つま先Bからでた光は鏡のQで反射して眼Oに届きますが、このとき光はOQの延長線上のB'からやってくるように見えます。同様に頭Aからでた光は鏡のPで反射して眼Oに届きますが、光はOPの延長線上のA'からやってくるように見えます。そのため、鏡の中に自分の姿(像)が見えることになります。鏡の中に見える物体の像を、虚像といいます。私たちは経験から光が直線することを知っているためA'やB'から光がやってくると判断してしまいますが、A'やB'から光はでていないことを理解しておきましょう。
全身を映すのに必要な鏡の大きさは、光の反射の法則によって入射角と反射角が等しいため、物体と鏡との距離と関係なく身長の1/2になります。どうして身長の半分になるのか考えてみましょう。
図において、つま先Bから出た光は鏡のあらゆる面で反射しますが、眼Oから見えるところは鏡のQの位置になります。入射角=反射角ですから、鏡のQの位置は、眼Oとつま先Bの距離OBの1/2になります。同様に頭Aから出た光は鏡のあらゆる面で反射しますが、眼Oから見えるところは鏡のPの位置になります。入射角=反射角ですから、鏡のPの位置は眼Oと頭Aの距離OAの1/2になります。この2つの距離はそれぞれO''QとO''Pに相当します。足し合わせると身長の半分の大きさになります。
数式で証明してみよう
図において身長ABは次の式で表すことができます。
\[AB=OA + OB\]全身を映すのに必要な鏡の大きさPQは次の式で表すことができます。
\[PQ=O''P + O''Q\]O''PとO''QはそれぞれOA/2とOB/2になりますから
\[PQ=\frac{OA}{2} + \frac{OB}{2}\]よって
\[PQ=\frac{OA + OB}{2}=\frac{AB}{2}\]となり、全身を映す鏡の大きさPQは身長ABの半分になります。
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