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2020年7月24日金曜日

フェルマーの原理|図解 光学用語

フェルマーの原理とは(ふぇるまーのげんり、Fermat's principle)

 光がまっすぐに進む性質を光の直進性といいます。光は鏡で反射したり、水面で屈折したりすると、進む向きを変えますが、光はどのような道筋を選んで進んでいるのでしょうか?

 次の図において、A地点からB地点に向かう経路は無数にあります。たとえばA地点からO地点を経由してB地点に向かう、A地点からB地点までジグザグに進んで向かうなど自由に選ぶことができます。しかし、普通はA地点とB地点を直線で結んだ最短距離の経路を取るでしょう。


最短距離で到達する経路

 光も同じ物質中を進むときや、ある物質から異なる物質に垂直に進むときには、直進して最短距離の経路を進みます。ところが次の図のように、光は異なる物質へ斜めに進むときには、最短距離を選ばず物質の境界面で屈折します。


光が屈折するときの経路

 光はなぜ最短距離を選ばないのでしょうか?この問題について明快な答えをだしたのは、フランスのピエール・ド・フェルマーです。フェルマー「光は最短時間で到達できる経路を選ぶ」と説明しました。これをフェルマーの原理といいます。最短距離と最短時間の意味するところは、大きく異なります。

 次の図は海岸をイメージしたものです。A地点からO地点のところまでは砂浜、O地点からB地点までは海中となっています。砂浜のA地点から海中のB地点まで、いちばん早く到達する経路を考えてみましょう。ここで考えておかなければならないことは、海中を移動する速さは砂浜を移動する速さより遅いということです。A地点とB地点を直線で結ぶ経路①は最短距離ですが、海中を走る距離が最も長くなります。したがって、いちばん早くB地点にたどりつくことができるのは、O地点を経由する経路②になります。


最短時間で到達する経路

 光の速度は、真空中や空気中では秒速約30万kmですが、水中では秒速約22.5万kmと遅くなります。光が空気中から水中に入るときの屈折角の大きさは、光が水中を進む距離がもっとも短くなるようになっているのです。

 ところで、屈折率の違う物質を層状に重ねた物体に光を通すと、光は同じ屈折率の層中は直進しますが、境界面で屈折しながら進みます。各層の厚さを小さくすると、1つの層内で光が直進する距離が短くなります。したがって連続的に屈折率が変化する物質中では、光は曲がりながら進むように見えます。


屈折率が変化する物質中を進む光の経路

 図解 光学用語

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