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2020年6月8日月曜日

実像|図解 光学用語

実像とは(じつぞう、Real Image)

 物体から出た光がレンズで透過・屈折したり、鏡で反射したりすることによって集束する光線によってできる像のことを実像といいます。

凸レンズでできる実像(上)と凹面鏡でできる実像(下)

 実像は光が集まってできる像なので、実像のできる位置にスクリーンを置くと、倒立した像を投影することができます。また、スクリーン側からレンズを覗くと、自身の目で倒立像を見ることができます。

凸レンズでできる実像をスクリーンに映す

 映画でスクリーンに映し出される映像は凸レンズの働きでできる実像、スプーンをのぞいたときにひっくり返って見える自分の顔の倒立像は凹面鏡の働きでできる実像です。映画の映像は倒立像ではありませんが、これは正立像となるように、フィルムをひっくり返して映写機にかけているためです。ですから、倒立像か正立像で実像か虚像かを判断するのは誤りです。


水を入れた丸底フラスコでできる実像(左)と凹面鏡でできる実像

 また、一般に、実像は凸レンズや凹面鏡の焦点の外側に物体を置いたときにできる像と説明されることが多いのですが、ピンホールを通過する光線や平面鏡で反射する光線がスクリーンに作る像も実像です。

 次の図の左はピンホールカメラで像ができる仕組みを示したものです。右の写真は部分日食の太陽を平面鏡で壁に映した様子を撮影したものです。平面鏡と壁の距離が短いうちは、平面鏡の形をした明るい光が壁に映るだけですが、距離を長くすると太陽の形をした実像が映ります。ピンホールは光を通過させて実像を作りますが、鏡は光の進む向きを反転させて実像を作ります。


ピンホールでできる実像(左)と平面鏡でできる実像(右)

JIS Z 8120 : 2001 【光学用語】では実像は「光学系の射出面から出た収束光線束が,像空間で結ぶ像」と定義されています。

 図解 光学用語

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