サイト検索

2020年10月13日火曜日

凸レンズの焦点距離を実験で求める方法

【問題】
ここに焦点距離が不明の凸レンズがあります。この凸レンズの焦点距離を求める方法を答えてください。

 多くのレンズの問題は、焦点距離がわかっていて、実像や虚像のできる位置を作図したり、レンズの公式から求めるものです。しかし、この問題では物体や実像の位置からレンズの焦点距離を求める問題です。

太陽の実像から焦点距離を求める

 「点光源|図解 光学用語」で説明した通り、物体の1点から出る光は四方八方に広がりますが、遠方では平行光となります。つまり、凸レンズから無限遠にある物体の1点から出る光は凸レンズに平行光として入ります。このとき、その物体の像は焦点距離の位置の焦平面(焦点面)にできます。

無限遠の物体の凸レンズの実像のでき方
無限遠の物体の凸レンズの実像のでき方

 凸レンズで簡単に実像を作ることができる無限遠にある光源は太陽です。次の図のようにルーペで太陽の実像を作ります。光が最も集中するところが焦点です。レンズの中心から焦点までの距離が焦点距離になります。

太陽の実像から凸レンズの焦点距離を求める
太陽の実像から凸レンズの焦点距離を求める

物体と実像のできる位置から焦点距離を求める

 次の図のような装置を用いて、凸レンズでロウソクの実像をスクリーンに作る実験をします。このとき、物体の位置を動かすと、実像のできる位置(スクリーンの位置)が変わり、像の倍率が変化します。


凸レンズでできる実像をスクリーンに映す

 凸レンズでできる実像のレンズの写像公式は次のようになります。

\begin{align*} \frac{1}{a}+\frac{1}{b}=\frac{1}{f}\;\;\; m=\frac{b}{a} \end{align*}

(a:凸レンズと物体の距離 b:凸レンズと実像の距離 f:凸レンズの焦点距離 m:倍率)

 a=bのとき、

\begin{align*} \frac{2}{a}=\frac{2}{b}=\frac{1}{f}  \end{align*}

 ですから、

\begin{align*} a=2f\;\;\; b=2f \end{align*}

となります。このとき、凸レンズの中心から物体と実像の位置はそれぞれ焦点距離の2倍になり、a=bですから倍率mは1となります。

 つまり、物体と実像の大きさが同じになるように物体とスクリーンを配置し、そのときのレンズと物体の距離もしくはレンズとスクリーンの距離の1/2が凸レンズの焦点距離になります。

\begin{align*} a=2f\;\;\; b=2f \;\;\; \mbox{のとき} \;\;\; m=1\end{align*}

人気ブログランキングへ

0 件のコメント:

コメントを投稿