虚物体(虚光源)とは きょぶったい、virtual object
凸レンズと凸レンズ、凸レンズと凹レンズの組み合わせレンズの結像を考えるとき、1枚目のレンズでできる実像が2枚目のレンズの前方にできた場合、その実像が2枚目のレンズにとっての物体となります。その物体から出た光を用いて、2枚目のレンズでできる像の位置を求めることができます。
一方、1枚目のレンズでできる実像が2枚目のレンズの後方の位置にできる場合、その実像を2枚目のレンズの物体として扱うことができないため、1枚目のレンズを出て2枚目のレンズに入った光が、どのように2枚目のレンズから出てくるかを考えなければなりません。
このとき、1枚目のレンズの結像だけに着目し、2枚目のレンズでの結像を無視したときに、2枚目のレンズの後方にできるであろう1枚目のレンズの実像のことを虚物体と呼びます。物体が光源の場合は虚光源(きょこうげん、virtual source)と呼ばれる場合もあります。
実際には、2枚目のレンズが存在するため虚物体の位置に実像はできません。しかしながら、この虚物体を考えることによって、組み合わせレンズで像ができる位置を求めることができます。実際に考えてみましょう。
凸レンズと凸レンズの組み合わせの場合
次の図のように凸レンズL1とL2を次のように組み合わせ、L1の前方に物体をおきます。このときL2での結像を無視したとき、L1の実像がL2の後方にできる場合を考えます。この実像はL2が存在するため実際にはできないため、虚物体と呼びます。
物体から出てL1を通ったすべての光は虚物体に向かって進みます。このとき、L2の中心を通り、虚物体へ進む光線と、光軸に平行にL2に入り、L2の後側焦点に進む光線を考えます。この2つの光線の交点がL1とL2の組み合わせレンズでできる実像の位置になります。
凸レンズと凹レンズの組み合わせの場合
凸レンズと凹レンズの組み合わせレンズの場合も虚物体を考えることで、同様の作図で実像のできる位置を求めることができます。
次の図のように凸レンズL1と凹レンズL2を次のように組み合わせ、L1の前方に物体をおきます。このときL2を無視したとき、L1の実像がL2の後方にできる場合を考えます。この実像も実際にはできないため虚物体です。 実際にはL1で屈折して集光する光がL2で屈折して広がり、凸レンズと凹レンズによる実像がL2の後方にきます。その実像がどの位置にできるかは、L2に入る光線を追跡すればわかりますが、次の図のように虚物体を利用しL2の中心を通る光るとL2に平行に入りF2を通る光を考慮すると、すると、実像の位置を簡便に求めることができます。
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