物体の1点からでた光は、四方八方に広がって進みます。これは太陽や電灯などの光源の表面の1点からでた光も、光を反射している物体の表面の1点からでた光も同じです。
光源から光を受けるところまでの距離に対し、その大きさが十分に小さくて無視できる光源を点光源といいます。次の図は、点光源からでる光が1 m先にある幅50 cmの受光面にあたったときの様子を示したものです。点光源からでて光軸に沿って進む光は、受光面に垂直にあたりますが、それ以外は傾きをもつ光線として受光面にあたります。この場合、受光面の端に当たる光線と受光面が作る角度は約76度になります。
上図と同じ配置で、点光源から受光面の距離を1億5000万km、受光面の幅を1万3000kmとすると、θは89.998度になります。この場合、点光源からでて受光面にあたる光は、どの場所でも受光面に対してほぼ垂直に当たると見なすことができます。
実は前述の数値は、それぞれ太陽から地球までの距離と、地球の直径と同じです。よく「太陽光は平行光」という説明がありますが、これは次の図のように、太陽の表面の1点からでる光が平行光として地球に届くという意味です。
次の図は、点光源からでる光の広がりを簡単に示したものです。この波の広がりが遠方まで届くとき、同心円状に広がる球面波が平面波になります。光の波の広がりから、波の進行方向に切りだした直線が光線ですから、無限遠にある点光源からでた光は平行光線としてやってくることになります。
レンズを通る光や鏡に当たる光などを考えるとき、光が有限遠(有限距離)からやってきているのか、無限遠(無限距離)からやってきているのかを考える必要があります。
なお、実際に光が平行光になるかどうかは、物体と受光面との距離と受光面の幅によります。物体と受光面の距離に比べて、受光面の幅が十分に小さければ平行光とみなすことができます。たとえば、最初の図で受光面が0.5 cmのとき、θは89.9度になります。また、受講面が50 cmで光源との距離が100 mのときも、θは89.9度になります。
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