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2020年7月30日木曜日

屈折率|図解 光学用語

屈折率とは(くっせつりつ、refractive index)

 屈折率は真空中の光速(位相速度)と物質中の光速(位相速度)の比で、物質中の光の伝わり方を示す物理量で記号nで表します。屈折率は物質に固有な値ですが、光の波長によって異なります。慣習的に光学材料の屈折率は波長589.3 nmのナトリウムのD線の値が使われています。

 光が真空中からある物質中へ進むときの屈折率を絶対屈折率といいます。絶対屈折率nは、真空中の光の速度 と、物質中の光の速度 の比で次の式のようになります。一般に、単に屈折率というと、その物質の絶対屈折率のことを指します。

\[n=\frac{c}{v}\]

 光がある物質から別の物質に進んだときの屈折率を相対屈折率といいます。相対屈折率は2つの物質の絶対屈折率の比で表します。いま、光が物質1から物質2へ進んだとき、物質1中と物質2中での光の速度をそれぞれ v1 と v2、絶対屈折率をそれぞれ n1 と n2とすると、それぞれ次の式のようになります。

\[n_1=\frac{c}{v_1}\] \[n_2=\frac{c}{v_2}\]

 従って、物質1に対する物質2の相対屈折率 n12は、次の式のようになります。

\[n_{12}=\frac{v_1}{v_2}=\frac{\frac{c}{n_1}}{\frac{c}{n_2}}=\frac{n_2}{n_1}\]

 空気の絶対屈折率は1に近い値なので、空気に対する物質の相対屈折率は、その物質の絶対屈折率とほとんど同じ値になります。

空気(0℃)1.000292
水(20℃)1.3330
氷(0℃)1.309
エチルアルコール1.3618
石英ガラス1.4585
水晶1.5443
ダイヤモンド2.4195

ナトリウムD線(589.6 nm)に対する物質の屈折率

 物質の屈折率がわかると、光が物質の境界面でどれぐらい折れ曲がるかをスネルの法則から求めることができます。

 ところで、光の振動数 ν と真空中の光速 c と真空中の波長 λ の間には次の関係があります。

\[\nu=\frac{c}{\lambda}\]

 また、光の振動数 ν と物質中の光速 v と物質中の波長 λ' の間には次の関係があります。

\[\nu=\frac{v}{\lambda'}\]

 光の振動数 νは物質によって変化しないため

\[\nu=\frac{c}{\lambda}=\frac{v}{\lambda'}=constant\]

となります。

\[n=\frac{c}{v}\]

を考慮すると、物質中の光速 v と物質中の波長 λ' は、それぞれ次のようになり、屈折率で割った分だけ小さい値となります。

\[v=\frac{c}{n}\] \[\lambda'=\frac{\lambda}{n}\]

JIS Z8120:2001
屈折率 真空中の光の位相速度と媒質中の光の位相速度との比。

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