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2026年3月9日月曜日

色彩の科学 (金子 隆芳)|岩波新書 44

色彩の科学 (岩波新書)

金子 隆芳 (著)

 初版は1988年ですが2010年にアンコール復刊しました。しばらく新品を購入できましたが、現在は中古本のみ入手可能です。光学の基礎から色彩の基本まで系統的に学べる本です。色彩を勉強する人には是非ともおすすめしたい一冊です。

 ニュートンの色彩論を皮切りに光学と色彩学を、その発展の歴史とともに解説しています。原著論文の参照もあり科学的に信頼のおける内容です。巻末の索引も調べ物をするのに役に立ちます。

 光学や色彩学の発展に関わったニュートン、ヤング、マクスウェル、ヘルムホルツなどの科学者たちがたくさん登場し、彼らが実際に実験に用いた装置の写真や図が丁寧な解説とともに掲載されています。さらに現代色彩論の解説を展開し、後半は色の本質にせまります。

 著者の金子隆芳先生は東京文理科大学(後の東京教育大学・筑波大学)の卒業で専門は色彩心理学です。東京教育大学教育学部教授を務められた後、筑波大学名誉教授となられています。金子先生が学生だった頃の東京教育大学の学長はノーベル物理学賞を受賞した朝永振一郎先生です。

 本サイトや本館「光と色と」の記事を作成するにあたり、この本はたいへんに役に立ちました。本館の人気記事である下記のページの作成にあたっても参考にさせて頂きました。

 光学や色彩を学ぶ方はこの本が入手できるうちに購入して手元に一冊もっておくことを強くお奨めします。

内容(「BOOK」データベースより)

 豊かな色彩に囲まれた私たちの世界。だが「色が見える」とはどういうことなのだろうか?ニュートンやゲーテの色彩論以来、さまざまな人々がこの問題に取り組んできた。それらの成果を踏まえて、色覚異常や動物の色覚からイマジナリー・カラー、色ベクトルなどの最新理論まで、多岐にわたる色彩の世界を、物理学・心理学の両面から論じる。

新書: 220ページ
出版社: 岩波書店 (1988/10/20)
言語: 日本語
ISBN-10: 4004300444
ISBN-13: 978-4004300441
発売日: 1988/10/20
梱包サイズ: 17.2 x 10.4 x 1.2 cm

目次

1 ニュートン色彩論
2 色覚の三史
3 ヘルムホルツ三色説
4 測色学の祖・マクスウェル
5 現代色彩論の基本思想
6 現代色彩論のXYZ
7 ヘルムホルツ三原色と色覚異常
8 動物の色覚・処女開眼者の色覚
9 ゲーテの色の現象学
10 ヘリングの心理学的色覚説
11 物体色の色彩論
12 カラー・オーダー・システム

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2023年10月15日日曜日

色彩:色材の文化史 (「知の再発見」双書)

色彩―色材の文化史 (「知の再発見」双書)

フランソワ ドラマール (著), ベルナール ギノー (著), Francois Delamare (原著), Bernard Guineau (原著), ヘレンハルメ 美穂 (翻訳), 柏木 博

 絵画に色をつけたり、物体に色を塗ったりすることは昔から行われてきました。現実の色に近いカラー写真や印刷のための色材、布を鮮やかにそめるための色材、食品を美味しくみせるための色材・・・現代においては目的に応じて様々な顔料と染料があります。

 古くはラスコーの洞窟の壁画から現在のありとあらゆる色材まで、色材の開発の歴史と発展を解説した本です。

商品の説明

 生命の源である光から生まれる色彩。人類は太古の時代から色彩を楽しみ、それを再現しようと努力してきた。本書は人類の歴史の曙の時代から、中世のひそやかな色彩の改良をへて、安定し多彩な色を生み出すことを可能にした「化学革命」の時代を詳述し、さらに色の数を爆発的に増やすIT時代の色のあり方まで検証する。絵画、デザインや染色など「色」にかかわる芸術をより深く知りたい人、必読の入門書。人類の表現活動を支えた技術【アート】の歴史。

単行本: 174ページ
出版社: 創元社 (2007/02)
ISBN-10: 4422211927
ISBN-13: 978-4422211923
発売日: 2007/02
商品の寸法: 18 x 12.6 x 1.8 cm

目次

第1章 絵具と染料

第2章 中世の色彩

第3章 需要と供給の爆発的増加

第4章 化学工業の勝利

資料編

古来より伝わる色材調製法

色名の変遷

染物と染料

オーカーの採石場

ものに色があるのはなぜ?

理想の黒

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2023年6月22日木曜日

色彩心理学入門―ニュートンとゲーテの流れを追って

色彩心理学入門―ニュートンとゲーテの流れを追って (中公新書)

大山 正 (著)

 この本は色の見え方について解説した入門書です。色が見える仕組みが解明されるまでの歴史や、色が見える仕組みを学びたい人は是非読んみてください。 

内容(「BOOK」データベースより)

 色彩の研究は、ニュートンの実験に始まり今日の色表示体系に至る流れと、ゲーテの観察に始まる、色の主観的な体験の現象学の流れとがあり、そこに両者に欠けた色覚の生理学の流れが加わっている。さらに色には、感情や文化と結びつく複雑な側面もある。この広範囲におよぶ色彩のさまざまな問題を、主要な人物の貢献を紹介しつつ解説する。色彩への実用的知識が要求される現在、その課題にも応えてくれる格好な入門書となっている。

新書: 235ページ
出版社: 中央公論社 (1994/01)
ISBN-10: 4121011694
ISBN-13: 978-4121011695
発売日: 1994/01
商品の寸法: 17.2 x 11 x 1.2 cm

目次

第1章 ニュートンにおける光と色
第2章 ゲーテの『色彩論』と視覚の諸現象
第3章 化学者ドールトンと色覚異常研究
第4章 ヤング‐ヘルムホルツの三色説
第5章 ヘーリングの反対色説とその発展
第6章 一つの目に二種の視覚―フォン・クリースの二重視覚説
第7章 動物の色覚
第8章 光の強度と明るさの感覚―フェヒナーの法則とスティーヴンスの法則
第9章 色を立体で表わす―マンセルとオストワルト
第10章 色を数字で表わす―混色の法則とCIEの表色系
第11章 カッツと色の現象学
第12章 色は波長だけではきまらない
第13章 色の効果
第14章 色と感情


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2020年9月15日火曜日

化学トリック=だまされないぞ!(ブルーバックス、山崎昶著)

化学トリック=だまされまいぞ!―化学推理クイズ (ブルーバックス)

 ブルーバックスのTwitterを眺めていたら、山崎昶先生の「化学トリック=だまされないぞ!」が紹介されていました。山崎先生の2008年の著作です。既に中古本しか入手できませんが、電子書籍は入手可能です。

 登場人物のエヌ氏がいろいろな事件を解き明かしていくという流れで、化学トリックがいろいろと解説されていきます。世にも奇妙な物語のような30編で、あっという間に読めてしまいます。

 この本は山崎昶先生に送っていただきました。山崎先生とは自分が20代後半ぐらいに初めてお目にかかりました。家が同じ市内だったこともあり、何度か食事などご一緒させていただきました。やがて自分も著書を出すようになり、山崎先生に読んでもらおうと思い拙著を送りました。以来、先生もご自身の著書を送ってくださるようになり、著書のやり取りが始まりました。自分など足元にも及ばないほど多くの著書を出されているので、もらう方が多くて恐縮していました。

 山崎先生は残念ながら2018年に他界されました。30年ぐらい前に学会のお土産で先生に頂いた周期表ネクタイはいまでも使っています。

説明

 面白くてためになる化学推理クイズ傑作集。成田空港の手荷物検査でテロリストに間違われた中年の女性。バッグの中身は財布、口紅、眼鏡、体温計、手鏡。飛行機の空中分解も起こし得る問題の持ち物はどれ? (ブルーバックス・2008年7月刊)

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

山崎/昶

1937年生まれ。1960年、東京大学理学部化学学科卒業。1965年、東京大学大学院博士課程修了。理学博士。同年、東京大学助手(理学部化学教室)。1975年、電気通信大学助教授。1999年から2003年まで日本赤十字看護大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) --このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。

内容(「BOOK」データベースより)

日常に潜むミステリーを化学の知識でエヌ氏が解決。 --このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。

もくじ

  • トリック1   奇妙な電話
  • トリック2   持ち込み禁止
  • トリック3   宮殿の氷
  • トリック4   篝火の秘密
  • トリック5   漆器の値打ち
  • トリック6   爆発した紙くず
  • トリック7   家庭菜園の落とし穴
  • トリック8   色が違う!
  • トリック9   盗まれた仏像
  • トリック10 「ボトックス」は猛毒か
  • トリック11 美女の呪い
  • トリック12 愛犬がおかしい!
  • トリック13 キノコの怪
  • トリック14 消えたルビー
  • トリック15 掌の上の炎
  • トリック16 ワラビでテロ?
  • トリック17  白紙の手紙
  • トリック18 「自白剤」は効くのか
  • トリック19 謎のシミ
  • トリック20 中華料理と毒殺
  • トリック21 血が止まらない!
  • トリック22 モロヘイヤの正体
  • トリック23 味が変わった!
  • トリック24 洗濯の罠
  • トリック25 電子レンジで燃える紙
  • トリック26 絵手紙の不思議
  • トリック27 捨てられる魚
  • トリック28 出さなかった年賀はがき
  • トリック29 檀君の呪い
  • トリック30 血の奇蹟

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2020年9月8日火曜日

「レンズ」のキホン (イチバンやさしい理工系)

 「レンズ」のキホン (イチバンやさしい理工系)

 少し前の本ですが、現在も入手可能です。光学とレンズの初心者向けの図解入門書です。フルカラーですので、光路図などがとてもわかりやすくなっています。光学とレンズのキホンのキから解説しているので、これからレンズのことを勉強したい人だけでなく、レンズの基本を教える人にとっても役に立つと思います。

レンズを知ると光学はこんなにおもしろい!

昨今のデジタル一眼レフカメラのブームもあって、レンズのことをもっと知りたい人が増えています。本書は、高校生から一般の人を対象に、レンズのことを知る超入門書として、図解や写真をふんだんに使いながら、わかりやすく光の世界を解説します。

レンズを知ることは、光の性質を知ることにつながります。また、メガネや望遠鏡などの光学機器ばかりか、ヒトの眼の構造の理解も進みます。身近な例を題材に、徹底してやさしく、おもしろい話題を集めました。

単行本: 224ページ
出版社: ソフトバンククリエイティブ (2010/6/18)
ISBN-10: 4797357150
ISBN-13: 978-4797357158
発売日: 2010/6/18

目次

はじめに
登場キャラクターのご紹介

第 1 章 レンズのお話

001 レンズは光の屈折をたくみに利用するために生みだした道具
002 レンズの歴史
003 小さなものを拡大して見る顕微鏡の歴史
004 遠くのものを近くに見る望遠鏡の歴史
005 レンズでできた像を記録するカメラの歴史

COLUMN レンズの語源

第 2 章 光のふるまい

006 光の直進性と逆進性
007 光の反射の法則
008 鏡による光の反射
009 光の乱反射
010 透明な物体を通る光
011 光は物質の境界面で折れ曲がる 光の屈折
012 光はどのような道筋を選んで進むのか フェルマーの原理
013 スネルの法則①
014 スネルの法則②
015 空気のゆらぎが光を曲げる 陽炎と逃げ水のしくみ
016 空気のゆらぎが光を曲げる 蜃気楼と大気差のしくみ
017 プリズムでできる光の色の帯 光の分散
018 大空にかかる光の色の帯 虹ができるしくみ
019 虹の形はどうして円弧なのか
020 光は波か粒子か① 光の回折
021 光は波か粒子か② 光の干渉
022 光の回折と干渉でできる虹のしくみ
023 光は縦波か横波か
024 偏光メガネとブリュースターの法則
025 光は電磁波の仲間
026 光の速さはどれぐらいか
027 光のふるまいを考える幾何光学と波動光学

COLUMN 近接場光ー光の回折限界を超える光 66

第 3 章 レンズのしくみと働き

028 点光源からでた光はどのように進むか
029 影のでき方
030 ピンホールでできる像
031 ピンホールカメラでできる像
032 レンズの基本的なしくみ
033 凸レンズと凹レンズの基本的な働き
034 レンズの焦点と焦点距離
035 レンズの主点と主平面
036 薄肉球面レンズの焦点距離の求め方
037 レンズを通る光の進み方
038 凸レンズでできる実像
039 無限遠からやってくる光は凸レンズでどこに像を結ぶか
040 凸レンズでできる虚像
041 凸レンズを半分隠すと実像と虚像はどうなるか
042 物体が焦点の位置にあるとき実像と虚像はどうなるか
043 凹レンズでできる虚像
044 レンズの写像公式と倍率① 凸レンズの実像の場合
045 レンズの写像公式と倍率② 凸レンズの虚像の場合
046 レンズの写像公式と倍率③ 凹レンズの虚像の場合
047 レンズの写像公式のまとめ
048 レンズの倍率を求めるもう1つの方法
049 レンズの作図の裏技① 光軸上の1点からでて凸レンズに入射する光
050 レンズの作図の裏技② 凸レンズに任意の傾きで入射する光
051 レンズの作図の裏技③ 凹レンズを通る光の場合
052 2枚のレンズを通る光
053 凹面鏡と凸面鏡のしくみ
054 凹面鏡と凸面鏡で反射する光
055 レンズの分類の仕方
056 表面屈折を利用したレンズ① 球面レンズ
057 表面屈折を利用したレンズ② 非球面レンズ
058 表面屈折を利用したレンズ③ シリンドリカルレンズ
059 表面屈折を利用したレンズ④ トロイダルレンズ
060 表面屈折を利用したレンズ⑤ フレネルレンズ
061 表面屈折を利用しないレンズ① グリンレンズ(屈折率分布レンズ)
062 表面屈折を利用しないレンズ② 回折レンズ

COLUMN メタマテリアルー負の屈折率をもつ物質

第 4 章 レンズの性能

063 レンズをつくる光学ガラスに求められる性質
064 光学ガラスの屈折率
065 光学ガラスのアッベ数
066 光学ガラスの分類
067 ガラス以外の光学材料① 天然や人工の結晶
068 ガラス以外の光学材料② 光学プラスチック
069 レンズができるまで① 球面レンズのつくり方
070 レンズができるまで② 非球面レンズのつくり方
071 収差とはなにか
072 球面収差
073 球面収差の補正
074 コマ収差と非点収差
075 像面湾曲と歪曲収差
076 軸上色収差と倍率色収差
077 像の大きさと明るさ
078 Fナンバーと実効Fナンバー
079 開口数NAとレンズの分解能
080 絞りと瞳
081 絞りの位置とテレセントリック
082 焦点深度と被写界深度

COLUMN ガラスはなぜ透明なのか

第 5 章 レンズを使った身近なもののしくみ

083 ヒトの眼の構造
084 正常な眼のしくみと働き
085 近視と遠視
086 老視と乱視
087 コンタクトレンズのしくみ
088 ルーペのしくみ
089 ルーペの倍率
090 光学顕微鏡のしくみ① 基本的なしくみ
091 光学顕微鏡のしくみ② 倍率と分解能
092 望遠鏡のしくみ① 基本的なしくみ
093 望遠鏡のしくみ② ケプラー式望遠鏡の光の進み方
094 望遠鏡のしくみ③ オランダ式(ガリレオ)望遠鏡の光の進み方
095 望遠鏡のしくみ④ 望遠鏡の倍率
096 望遠鏡のしくみ⑤ ピント合わせが必要なのはなぜ?
097 カメラのしくみ① Fナンバーとシャッタースピード
098 カメラのしくみ② 画角と焦点距離
099 カメラのしくみ③ デジタルカメラの画角と焦点距離
100 進化するレンズ 流体レンズのしくみ

COLUMN 像反転系 倒立像を正立像として見る

参考文献
索引

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2020年7月8日水曜日

図解入門 よくわかる最新レンズの基本と仕組み[第3版] - 身近な現象から学ぶレンズと科学と技術

図解入門 よくわかる最新レンズの基本と仕組み[第3版]

レンズの基本と仕組み since 2005(初版2005年、第2版2013年)

光を見る・知る・掴む。世界を切り取る技術!豊富なイラストで手に取るようにわかる!

 【News】
  • 2020/03/30 サポートサイトを公開しました。
  • 2020/03/31 発売開始しました。
  • 2020/07/07 amazon.co.jpの光学・色彩工学でランキング1位となりました。

内容

レンズは光技術の立役者であるといっても過言ではありません。本書は、カメラ、望遠鏡、顕微鏡、CD/DVDプレーヤー、コピー機など私たちの身の回りで 使われているレンズの入門書です。本書は、物理が苦手の人でも、 レンズについて知りたいという人を対象に、光の性質から、レンズの基本的な仕組み、レンズの種類、収差や性能、眼鏡やカメラなど実際の機器でのレンズの使われ方を図表を使ってやさしく解説しています。第3版では、スマートフォンなど最新機器で利用されている技術や、医療分野での活用例についても紹介します。

単行本: 312ページ
出版社: 秀和システム; 第3版 (2020/3/31)
言語: 日本語
ISBN-10: 4798058106
ISBN-13: 978-4798058108
発売日: 2020/3/31

はじめに

 21世紀の科学技術は「光の時代」と言われています。現在、光の先端技術を応用したものが、私たちの生活の中にたくさん入ってきています。

 光の技術があるところでは、必ずといってよいほどレンズが活躍しています。レンズはカメラや望遠鏡だけではなく、CD/DVDプレーヤーやコピー機、レーザープリンタをはじめとする、光を使った様々な製品に使われているのです。レンズは光技術の立役者であるといっても過言ではありません。

 本書の構成にあたっては、レンズの専門家ではない人や、物理は少し苦手と思っている人が、「レンズについて知りたい」「勉強したい」と思ったときに、どのような入門書があればよいのかを中心に考えました。

 レンズを勉強するためには、光の基本的な性質を理解しておく必要があります。なぜなら、光とレンズは切っても切れない間柄だからです。この本では、光の基本的な性質についても、ページをかなり割いて説明しました。本書で取り上げたものは、レンズを学ぶ上で必要となる知識です。本書1冊で光の基本からレンズの仕組みまでを理解できるように、あるいはレンズの専門書で行き詰まったとき、理解を助けるために読んで頂けるように心がけて、執筆を進めました。また、数式がたくさん出てきますが、数式を読み飛ばしても図解と説明で概要が理解できるように執筆したつもりです。

 本書は2005年3月に第1版、2013年3月に第2版が発売され、初版から15年を経て、ここに第3版を出版する運びとなりました。今回の改訂にあたっては、本書の基本的な主旨は踏襲し、読者の皆さんから頂いた質問や意見などを参考に、最新情報なども加えて、よりわかりやすい内容に仕上げることをめざしました。

 読者の皆さんが、本書を手にすることによって、光とレンズに関する基本知識を身につけられ、本書がレンズ光学の専門書への橋渡しの役割を果たすことができたとしたならば、著者としてこれほど嬉しいことはありません。

 最後になりますが、本書の作成にあたっては、北海道理科サークルWisdom96(初版当時)の皆さんに、文章を読んで意見を頂いたり、写真を提供して頂いたり、お世話になりました。この場を借りてお礼を申し上げます。また、編集作業を担当していただいた秀和システムの編集部の皆さんに深くお礼を申し上げます。

2020年3月
桑嶋 幹

もくじ

第1章 レンズとは何か

  • 1-01 そもそもレンズとは?
  • 1-02 レンズの働きをするものを探してみよう
  • 1-03 レンズの歴史

コラム 世界最古のレンズ? ニムルドのレンズ

  • 1-04 望遠鏡と顕微鏡の歴史
  • 1-05 カメラの歴史
  • コラム 活動写真の発明

第2章 光の基本的な性質

  • 2-01 光はどのように進むのか① 光の直進性

コラム 鏡の歴史

  • 2-02 光はどのように進むのか② 光の反射と乱反射
  • 2-03 光はどのように進むのか③ 光の屈折と反射

コラム 光通信と光ファイバー

  • 2-04 光はどのように進むのか④ フェルマーの原理とスネルの法則
  • 2-05 光の分散
  • 2-06 光の回折と干渉

コラム シャボン玉でできる虹

  • 2-07 光が偏るとは?
  • 2-08 どうしてものが見えるのか

コラム 物体はどのようにして見えるのかを研究した人びと

  • 2-09 光と色の三原色
  • 2-10「光る」とはどのようなことか
  • 2-11 光の速度はどれぐらいか

コラム 光速の測定が光の波動説の完全勝利をもたらした

  • 2-12 光の正体は何か
  • 2-13 電磁波とは何か
  • 2-14 幾何光学と波動光学

コラム ナノテクノロジーとは

第3章 レンズの基本的な仕組みと働き

  • 3-01 影や像のできかた
  • 3-02 レンズの仕組みと働き

コラム 老眼鏡と近視眼鏡のレンズの種類を確かめる

  • 3-03 レンズの構成
  • 3-04 レンズを通る光の進みかた
  • 3-05 レンズでできる像
  • 3-06 レンズの式と倍率
  • 3-07 レンズの置き方
  • 3-08 2枚のレンズを通る光
  • 3-09 レンズの簡易な作図方法

コラム 平行光で凸レンズの焦点距離を求める

  • 3-10 凹面鏡と凸面鏡

コラム 凹面鏡を利用した太陽炉

第4章 レンズの分類

  • 4-01 レンズの基本的な分類のしかた
  • 4-02 表面で光を屈折するレンズ①
  • 4-03 表面で光を屈折するレンズ②
  • 4-04 表面屈折以外のレンズ

コラム 光を回折させてみよう

  • 4-05 レンズを作る材料

コラム ガラスはなぜ透明か

  • 4-06 光学ガラスの屈折率とアッベ数
  • 4-07 光学ガラスの分類
  • 4-08 ガラス以外の材料
  • 4-09 レンズのつくりかた

コラム 光学ガラスやレンズの製造工程を詳しく知りたい人は

第5章 レンズの収差と性能

  • 5-01 収差とは何か
  • 5-02 球面収差
  • 5-03 コマ収差と非点収差
  • 5-04 像面湾曲と歪曲収差
  • 5-05 軸上色収差と倍率色収差
  • 5-06 Fナンバー
  • 5-07 開口数NA
  • 5-08 絞りと瞳
  • 5-09 絞りの位置とテレセントリック
  • 5-10 焦点深度と被写界深度
  • 5-11 レンズの解像力と伝達関数MTF

コラム 偏心収差 レンズ製造やとりつけで生じる収差

  • 5-12 アッベの不変量とラグランジュの不変量

コラム レンズの設計

第6章 レンズを使った製品と技術

  • 6-01 光学系とは何か
  • 6-02 眼の働き
  • 6-03 眼鏡と眼の屈折異常① 
  • 6-04 眼鏡と眼の屈折異常② 
  • 6-05 コンタクトレンズの仕組み

コラム 昆虫の複眼の仕組み

  • 6-06 白内障と眼内レンズ
  • 6-07 ルーペの仕組み
  • 6-08 顕微鏡の仕組み
  • 6-09 望遠鏡の仕組み

コラム 双眼鏡の仕組み

  • 6-10 カメラの仕組み
  • 6-11 CD-ROMとCD-ROMドライブの仕組み
  • 6-12 レーザープリンタの仕組み
  • 6-13 バーコードリーダーの仕組み
  • 6-14 半導体産業を支えるステッパーレンズ
  • 6-15 自然現象とレンズ

索引

参考文献

サンプルページ 

巻頭口絵(抜粋)

Front

第1章 第1節 そもそもレンズとは

Page11

第2章 第3節 光はどのように進むのか③光の屈折と全反射

Page23

第3章 第4節 レンズを通る光の進みかた

Page34

第4章 第1節 レンズの基本的な分類のしかた

Page41

第5章 第2節 球面収差

Page52

第6章 第2節 目の働き

Page62

 

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